帰り路


“Com’è andata oggi a scuola?”

学校から家まで、車で20分。朝は寝ぼけて目を閉じていることが多い息子だが、「今日はどうだった?」放課後の車の中、そう聞くと、帰り路では笑顔で色々語ってくれる。もうここ数年来、彼の宿題を見ることもない。ノートを覗くこともない。学校の面談にも行かない。でもこの20分の間、車の中で、勉強について行けているのか、友達とうまくやっているのか、はだいたい分かる。
この日は心理学の授業で、「好きな植物を選んで、それを自分に見立てて詩を書きなさい」と言う題があったという。一番多く選ばれたのはオリーブの木。さすがイタリアだ。変わりどころではマグノリア、なんていうのもあったそうだ。  
「へえ。で、Rikiは何を選んだの?」
「僕はね、Salice Piangente」
「お!」
Salice Piangente -しだれ柳 – は、Rikiの木である。今の家へ引っ越してきた時、子供たちそれぞれに好きな木を選ばせて植樹をした。Keiは桜の木、Mahoにはりんごの木、そしてRikiが選んだのがしだれ柳だったのである。Salice Piangenteというイタリア語を直訳すると、「泣く柳」という意味になる。
「それで、どんな詩を書いたの?」
「えっとね…
Il Salice si nasconde dietro i suoi lunghi rami, senza mostrare ciò che c’è dietro.
Fuori mantiene le foglie verdi e non rivela lo sforzo per superare l’inverno.
Proprio come lui, spesso nascondo le mie emozioni e, anche nei periodi più difficili, provo a rimanere “verde”.
Ma il Salice, se lo guardi bene, piange.
柳は、その長い枝の影に隠れる。本当の自分を見せずに
表では緑の葉を保ち、冬を超すための努力を呈することはない
まさにその柳のように、僕も自分の心内を人には知らせない そして、どんなに辛い時でも「緑」であろうとする
だけど柳の木だって、よく見れば、泣いているんだ
「ふぅん、とてもいいね!」
ちょっと短いな、とは思ったけれど、心から良いと思った。そうコメントすると嬉しそうに笑った。
いつもニコニコ笑顔の君だけれど、もちろん泣きたいことも、泣くこともたくさんあるに違いない。親の僕は、君のすべてを把握しているつもりで、そして僕の前では全てをさらけ出して良いんだよ、という態度で接しているけれど、まさにその”泣く柳”のように、辛く悩める時、僕の前でも緑であろうとするのかもしれない。
冬を前に、庭で寂しそうに揺れる柳の木を見ながら、Rikiの詩を読み直した。
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